私が言語聴覚士を目指した理由
仙台医療福祉専門学校 言語聴覚学科は大卒2年課程。大学を卒業後そのまま進学する人、社会人経験を挟んで再進学をした人…経歴も年齢も様々です。
今回お話を聞かせてもらったのは、大学卒業後そのまま本校へ進学した三浦 拓朗さん。
そして社会人経験・出産を経て本校に再進学し、現在は子育てと学業を両立している根本 未希さんのお二人。
お二人とも今年度臨床実習と国家試験を控えた2年生です。
Q.まず始めに、お二人が言語聴覚士(以下ST)という職業を知ったきっかけを教えて下さい。
三浦さん:
私は大学で医療事務関係の勉強をしていたのですが、病院内にどんな仕事があるのかを調べていた時にSTという仕事を知りました。
根本さん:
私は元々どこかでSTという職業名は聞いたことがあったのですが、当時は全く興味がなくて(笑) でも子供を授かって、子育て上の不安を調べていくうちに、STという職業と再会したんです。子育てって本当に次から次へと不安に襲われるんですよね、「うちの子は大丈夫だろうか」って。それでSTの領域の中の発達という分野に特に興味を持ちました。
Q.なぜSTを目指そうと?
三浦さん:
学生時代、ボランティア活動を一生懸命やっていました。活動の中で、摂食嚥下分野で活躍するSTの方の仕事を直接見る機会があり、自分もこうなりたいと思ったからです。
Q.それから進学を決めるまで、葛藤があったのでは?
三浦さん:
はい。当時周囲は就職活動真っただ中で、私もその大きな〝当たり前″の流れに乗っていた一人だったんです。STは目指したい、でもこのまま就職をすべきなのだろうかと悩む日々でした。でも、この先何十年と働いていくことを考えたら、自分が心からやりたいと思った事に挑戦しなければ後悔すると思い、進学を決意しました。
Q.根本さんがSTを目指そうと決めた理由は何だったのですか?
根本さん:
私は、子供を持ち将来を真剣に考えるようになってから、母親として子供をしっかり守っていきたい、大人として社会にも貢献していきたい。そう思うようになったんです。母親として、女性としてもっと強くなるために、国家資格を取得し、STとなって社会貢献したいと思ったからです。STの勉強は、子育てにも役立つことが沢山ありますし。
---確かにSTという仕事は、様々な障害に苦しむ方々の支えとなる仕事ですので、大きな社会貢献になりますよね。また発達の分野においては、子育てで直面する様々な場面で力を発揮することができますし…母親としての立場からSTという職業を選んだ根本さんの考えはとても共感できますね。
Q.ところで、STを目指すために本校へ入学されたお二人は、なぜ本校を選んだのですか?
三浦さん:
やはり最短の2年間で国家試験受験資格が得られるというところですね!
根本さん:
東北では唯一の大卒2年課程ですしね!2年間ならば、子供がいても何とか頑張れると思いました。たった2年、されど2年。この2年で人生が大きく変わりますから。
Q.実際に入学してみての印象は?
三浦さん:
勉強は正直大変です。今まで触れたこともなかった分野も多くありますし、範囲もとても広いので。でも、クラスの仲間たちと得意分野を教え合って協力し合いますし、先生方がとにかく手厚く指導して下さるのでとても心強いです。
根本さん:
実習準備をしているときも、先生方は授業以外の時間まで惜しみなく使ってとことん付き合ってくれるんです。非常勤の先生方もそれぞれの道のプロなので、医療現場でのリアルな話や実践的なアドバイスを頂けてとても勉強になっています。
---確かに皆さんよく教室で一緒に勉強なさっていますよね。職員室に質問にくる学生さんもとても多いし。クラスの仲の良さ、一生懸命さが伝わってきます。
Q.お二人の今後の目標は何ですか?
三浦さん:
もちろん無事に実習を終え、国家試験に合格することです!
根本さん:
実習では、医療人としての心得を身に付け、もう一段かい成長できればと思っています。
Q.目標達成後、どんなSTとして活躍していきたいですか?
三浦さん:
「この人となら頑張れる」「担当がこの人で良かった」と思ってもらえるSTになりたいですね。患者さんにとって、小さなことでも相談できるような身近な存在でありたいです。
根本さん:
障害を抱えた患者さんはもちろん、それを支える家族もきっと様々な悩みや苦しみを抱えているはずです。特に患者さんの前では表に出すわけにはいかず抱え込んでいる家族の方も多いと思うので、患者さんだけでなくその家族にも寄り添えるSTになりたいと思います。
Q.最後に、これからSTを目指そうと考えている、迷っている人に向けてのメッセージをお願いします。
三浦さん:
私は大学卒業後、ストレートでこの学校に進学しました。STを目指したいと思い始めた頃、就職と進学の狭間で葛藤していました。でも、この先何十年と働いていくことを考えたとき、自分がやりたいと思った事に挑戦し、それを目指すべきだと思い、進学を決意しました。今の大学生が置かれている状況は、バブル期を超える売り手市場だと言われています。だからこそ、自分としっかり向き合って「自分は何がしたいのか」後悔しないようしっかり考えてみてください。そしてもしSTに興味があるならば、思い切ってチャレンジしてみてください!
根本さん:
私は社会人経験を経て入学しました。STを目指すため、再進学を決意するにあたって、10年以上勉強から遠ざかっていた30代の子持ちが果たしてやっていけるのだろうかという不安がとても大きかったです。おそらく同じような不安を抱えて迷っている方もいると思います。しかし、年齢は違っても、同じ目標を持つ仲間としてフラットな関係で支え合う環境がここにはあります。20代から40代まで、大学を卒業したての人から社会人経験豊富なベテランまで様々な人達が、お互いの得意分野を持ち寄って「全員で国家試験合格」を目標に頑張っています。長い目で見れば、たった2年間です。でも、この2年間で人生は大きく変わります。年の差や上下関係など、心配せずに飛び込んできてください!
現在日本では約2万6千人の言語聴覚士が活躍しています。しかし、言語聴覚士の必要数はなんと7万人とも言われており、圧倒的な人材不足です。
言語聴覚士という職業をより多くの人に知って頂き、近い将来沢山の言語聴覚士が世の中で活躍し、障害を抱える多くの方々、そしてその家族の支えになって欲しいと切に願います。
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