2年制の言語聴覚士養成校は“キツイ”のか
2年制の養成校は、大学卒業者(卒業見込み含む)が対象になる2年課程ですが…
はっきり言いましょう。キツイです。
ただ感覚は人それぞれなので、社会人時代に毎日が激務だった方からすれば、そうでもないと感じる方もいらっしゃいます。
言語聴覚士の国家試験は、非常に広い範囲から出題されるため、その範囲を学ぶ上で2年間という期間はギリギリです。
さらに2年生になれば、12週間の臨床実習があるため、国家資格合格のための座学は実質1年と数か月になります。その限られた時間の中で、医学や心理学、言語学に音響学、各種障害学など非常に広い範囲を勉強しなければならないのです。今まで一度も触れたことがなかった分野も数多くあるでしょう。
ですから授業は月曜から金曜までビッシリ。もちろん空きコマなどありません。
土曜も現役ドクターからの特別講義などで授業が入ることもあります。
学生の特権である長期休みもありません。一般的な社会人と同じスケジュールで、GW、お盆、年末年始だけです。もちろん休暇中には課題もでます。
学習と生活に余裕が出るまでは、アルバイトも難しいです。(おススメはしません。)
“学生に戻る”というイメージで考えていると、かなりのギャップを感じるでしょう。
これを聞いて「2年課程って大変だな・・・諦めようかな」と思ったかもしれません。
勘違いしないで頂きたいのですが、せっかく言語聴覚士を目指そうと前向きに考えている心を折ろうとしているわけではありません。
仕事と思えば決してめちゃくちゃなスケジュールではありませんし、2年課程であるからこそ得られるものがあることを知っていただきたいと思っています。
まず、前述の通り言語聴覚士の国家試験に受かるためには、非常に広い範囲の勉強が必要です。そのために養成校でしっかりと学習するわけですが、言語聴覚士の養成校は「2年課程」の他にも高卒以上で入学できる「3年課程」、「4年課程」があります。
実は3年課程以上の養成校の平均合格率よりも、2年課程の養成校の合格率の方が高い傾向があります。
この差は一体なんでしょうか。なぜ学ぶ時間が短い2年課程の方が、合格率が高いのか。
大卒2年課程に入学する方は、社会人であれば現在の仕事を辞めて入学しなければならず、大学生であれば、4年間大学に通ってさらに2年間、新たに入学をし直すわけです。
それは金銭的な負担や大きなプレッシャー、不安と向き合うことになる人生の中で非常に大きな決断です。
ですから、大卒2年課程に在籍している学生は、その大きな決断をしている分覚悟の大きさが結果に表れているとい言えるのではないでしょうか。
入学後、同じ目標を持って苦楽を共にする仲間たちは多種多様。様々な社会経験を持った人が集まってくるので、休憩時間の会話もとても刺激的です。それぞれの得意分野を生かし、勉強を教え合うこともできるため、効率よく学習ができます。
国家試験は、定員があるわけではないので、誰かを蹴落とさなければならないということはありません。仲間と一緒に協力して全員合格を目指していけるわけです。
大変な事も多いですが、2年間共に過ごしたクラスメイト達は、卒業前にはもはや戦友とも呼べるほどの堅い絆で結ばれ、STとして巣立った後も、時に励まし合い切磋琢磨できる一生ものの仲間になります。そんな仲間と過ごす2年間の学校生活は、過去の学生時代とは比べ物にならないほど濃密な2年間になるでしょう。
新しい知識を身に着けるということは、想像以上に楽しく、ワクワクします。将来何の役に立つかもわからず、ただただ成績や卒業のために無理矢理覚えようとした勉強と違って、明確な目的を持って専門的な知識を身に着けるための勉強なので、授業が驚くほど充実して感じるはずです。そんな自分自身の変化も楽しめるのではないでしょうか。
晴れてSTとなった暁には、夜勤もなく安定した収入と生活サイクルの中で、患者さんの症状に合わせて自ら考案したリハビリを通じて、少しずつ回復していく様を間近で見ることができ、また感謝される非常にやりがいのある仕事の就くことができます。
2年間という学生生活は、そのための通過点。辛いですが、努力は必ず報われます。
次に、国家試験合格のための勉強とその大変さはもちろんですが、入学を検討される方が最も気にされることの一つに、「学費」と「在学中の生活費」があります。
2年制過程の多くは、昼間部となっており、在学中にフルタイムでお仕事をすることはできません。(一部、夜間+土曜で開講している養成校もあります)
では在籍期間中、学費と生活費を賄うためには、家族の金銭的援助や貯蓄がないと難しいのでしょうか。
実は、在学期間中の学費すべてをカバーできる可能性のある公的制度があるのです。
※下記リンク参照
「専門実践訓練給付金制度」「教育訓練支援給付金制度」は、人によっては在学中に必要な費用を全額カバーしてさらに数十万円のお釣りが来るほど充実した内容になっています。(生活費すべてまではさすがに無理ですが…)
ただし、条件として雇用保険加入期間が3年以上(初めて制度を利用する方は2年以上)などの条件がありますので、自身が対象かどうかはハローワークに直接確認が必要です。
この制度は2018年1月に制度拡充されたばかりですが、いつまで続くか明確にはされていませんので、利用するなら今がチャンスと言えます。
この他にも、養成校ごとに様々な学費支援制度が用意されています。
新しい人生を歩もうとするスタート地点では、大きな不安がつきものです。
まずはその不安を払しょくするために、養成校の説明会に参加してみてください。
本校では、お仕事をされている方のために休日の個別相談に加えオンラインでの個別相談会を行っています。
言語聴覚士に興味があるけど、一歩踏み出せないでいるのなら、勇気を持って踏み出してください。諦めないでいい方法がきっと見つかりますよ!
0コメント